エントリータイトルなんか浮かばんので省略。
 津原泰水が亡くなった。
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 10月2日のことらしい。
 早いとか遅いとかどうでもよくてただただ茫然となっている。
『蘆屋家の崩壊』で大笑いしつつ文章のうまさに舌を巻いたのはいつのことだっただろうか。
 あこぎなやり口に苦言を呈して出版社社長とバトルになった挙げ句、そこじゃ全然売れなかった本が別の出版社に移ってベストセラーになったのが昨日のことのようである。
 『ペニス』『11 eleven』『ブラバン』『赤い竪琴』『ルピナス探偵団』『たまさか人形堂ものがたり』『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』どれも面白かった。夢中で読んだし、夢中で読み過ぎて思いあまり、ご本人のバンドのライブを聴くために代々木のライブハウスまで出かけたこともあった。あれがただ一度のチャンスとわかっていたら図々しく「ファンです」とか言って話しかけていたかもしれない。創作講座だって冷やかしにしかならなくても覗いとけばよかったのかもしれない。
 いやもうほんとショックらしい。書かずにいられない気分でブログの画面立ちあげたのに、なあんも言葉が出てこない。酔っ払いのたわごとみてえだ。シラフなのに。一個だけ、ご本人の生前にはエゴサで補足されるのが怖くて書けなかったことを書いておこう。津原泰水はむっちゃ格好良かった。ビジュアル的にも意見表明スタンス的にも。自分にとっては作家のイデアみたいな人だった。R.I.P.