高木彬光『誘拐』

 もともとは1961年3月から7月まで「宝石」に連載されたもの。内容はタイトル通り誘拐事件を扱っている。本文が500ページ以上のボリュームだったが、それほど長さを意識せず読み終えた。
 右翼の復活*1がちょろっと書かれていたり、何かというと「人権」という注釈が入ったりするところは時代を感じた*2。あとこの頃はまだ高利貸しのことをアイスと呼んでいたんだなあと軽く驚いた。
 面白いと思ったのかどうかは微妙なんだが、安心して読んだ。犯人を捜索する作戦と、盲点の指摘は「おおー」と思った。

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2013/06/13追記
 kindle版があった(表紙からすると旧バージョンみたい)ので、リンクしておく。微妙に安い。(今見た値段は840円)
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*1:鈴木邦男によれば、これは復活と言うより「誕生」に近いらしい。

*2:まあ東京オリンピック以前だし、古さを感じるのは当たり前。この頃はカメラのフィルムにカラーが出始めた頃なのか、カラーフィルム用と白黒フィルム用の二台を所有する人もいるみたいな記述もあった。