国内作家によるホームズパロディ/パスティーシュのアンソロジー。
収録作品は
・黄色い下宿人(山田風太朗)
・踊るお人形(夢枕獏)
・シャーロック・ホームズの内幕(星新一)
・ワトスン博士の内幕(北原尚彦)
・死の乳母(木々高太郎)
・シャーシー・トゥームズの悪夢(深町眞理子)
・緋色の紛糾(柄刀一)
・ダンシング・ロブスターの謎(加納一朗)
・「スマトラの大ネズミ」事件(田中啓文)
特に面白かったのは、「踊るお人形」「緋色の紛糾」。前者はその前の「黄色い下宿人」に続いてホームズ・ミーツ・漱石なんだけども、ふたりのやりとりの馬鹿馬鹿しさが他の追従を許さないくらい笑える。解説によれば本書で初の書籍化らしいが、よくぞ入れてくれましたという感じ。後者は「御手洗潔対シャーロック・ホームズ(amazon)」に収められている短篇らしい。なぜか二子玉川に住んでいるシャーロック・ホームズとワトスン博士が、犯罪学者の死に挑む話。Amazonのレビューでは、非常に芳しくない評価がなされているけれど、俺には大変面白かった。これは編者の配列の妙もあるかもしれない。7月には第2集が出るそうなので、そっちも楽しみにまっていようと思う。
シャーロック・ホームズに愛をこめて (光文社文庫)
ミステリー文学資料館
光文社 2010-01-13
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