ウィリアム・パウンドストーン松浦俊輔訳『パラドックス大全』

パラドックス大全
ウィリアム・パウンドストーン 松浦 俊輔


青土社 2004-09-30
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　やっと読み終わった。風呂で読んでいたのだけど、暑くなってきたらさっぱり進まなくなってしまい、やたら時間がかかった。
　以下目次。

• 第１部
• １　逆説
  • 水槽の脳　夢と悪夢　どうともとれる　確実なことはあるか　演繹と帰納　確証理論　逆説　地図としての科学　逆説と充足可能性　普遍的な問題
• ２　帰納――ヘンペルのレイヴン
  • 確証　物質と反物質　絶対の確証、段階的確証　反例　怪しい理論　対偶　絶対ないとは絶対言うな　意識の流れ　無限小分の確認　九九フィートの男の逆説　レイヴンと証拠全体
• ３　カテゴリー――グルー＝ブリーンの逆説
  • グルーのエメラルド　ゲリマンダー・カテゴリー　反事実的条件　回転する色環　反転スペクトル　魔物理論十六番　何でも何かの確認例となる　オッカムの剃刀　審判の日　拡張可能クォークの色はグルー風味か
• ４　知りえないこと――一夜で二倍？
  • 反実在論　物理学のほころび　魔物と二倍化　変種　時間は五分前に始まった？　反実在論危うし　ブラックホール探査船　他者の心　快／苦の二倍化　現実はひとつか

• 第２部
• 中仕切り　ジョン・Ｈ・ワトソン博士の謎
  • 巧妙度検査　ガス、水道、電気　会社の裏情報　墓地の謎　測量技師の悩み　答え
• ５　演繹――積み重ねの逆説
  • テセウスの船　連鎖式　複雑性　嘘族と本当族　嘘をついているのは誰？　充足可能性　骨付き肉問題　エレベーター問題　科学とパズル
• ６　信じること――予期せぬ処刑
  • 抜き打ち試験と隠れた卵　ホリスの逆説　切り詰めた逆説　時間旅行の逆説　知識とは何か　科学と三部立ての説明　ビュリダン文　ゲッティアの反例　第四の条件　死刑囚とゲッティア
• ７　ありえないこと
  • キャッチ２２　実際にありうるか　可能世界　可能世界はいくつありうるか　逆説と可能世界　序文の逆説　根拠があって信じていることどうしは両立しなければいけないか　ポロックのガス室
• ８　無限――トムソンノランプ
  • πマシン　ゼノンの逆説　トムソン・ランプを作る　等比数列　マルサス的破局　オルバースの逆説　複数はない　オルバースの逆説の解決　トリストラム・シャンディの逆説
• ９　ＮＰ完全――崔奔の迷宮
  • ＮＰ完全　迷路のアルゴリズム　右手法　トレモー・アルゴリズム　無限大の迷路　オーアのアルゴリズム　迷路はＮＰ完全　迷路の預言者　ＰとＮＰ　最もハードな問題　経験のカタログ　宇宙の大きさのコンピュータ

• 第３部
• １０　意味――双子の地球
  • ロジャー・ベーコン　間違った解読　意味とわけのわからないこと　洞窟の寓話　電子機器による洞窟　二進法洞窟　水槽の脳はそれを知りうるか　双子の地球　双子地球化学　アトランティスの図書館　ポーのiiiii...暗号　力ずく　解読の根拠　意味はどこにあるのか
• １１　心――サールの中国語の部屋
  • 思考する機械　機能主義の逆説　チューリング・テスト　中国語の部屋　脳とミルク　反応　中国語は楽じゃない　ジキル博士とハイド氏　システム応答　指示書の一頁　アインシュタインの脳との対話
• １２　全知――ニューカムの逆接
  • 全知の逆接　囚人のジレンマ　ニューカムの逆説　反応　ガラスの箱　ノージックの選択の二つの原理　それはいかさまにならざるをえないか？　二種類の予言　カオス　自由意思と決定論　予測と無限退行　西暦三〇〇〇年のニューカムの逆説

• 訳者あとがき
• 参考文献
• 索引

　2004年に刊行された本なんだけども原著は1988年に出たとかで、もしかすると、もう解決されたものが混じっているかもしれないが、ぼんやり眺めている分にはなかなか楽しい本だった。カタカナ語を嫌いすぎて原文にgoalと書かれているであろう部分に「目標」がきっちり当てられた結果、「迷路の目標」なんて文字列が出現していたのはご愛敬。
　最後の既刊書紹介広告に出ていた同著者の『囚人のジレンマ』が面白そうだった。ゲーム理論の「成立と展開を、創始者フォン・ノイマンの生涯に、冷戦時代の米ソ対立を重ねて描いたドキュメント」なんですって。
パラドックス大全
ウィリアム・パウンドストーン 松浦 俊輔


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