盗作・高校殺人事件 (創元推理文庫)
辻 真先
東京創元社 2004-06-10
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仮題・中学殺人事件(感想)の続編。スーパーとポテトは高校生になった。
作者は
被害者です
犯人です
探偵ですこの作品はそんな推理小説です!
と、帯にあり、確かにそのとおりの内容で、なかなか面白かった。が、救いがない。前作を読んだとき、中学生の時にこれ(仮題・中学殺人事件)を読んだらこんな奴らがいるはずがないと思って、面白がれなかったに違いない、と思ったのだが、本作を読むと、作者もこんな奴らがいるはずがないと思っている気がしてくる。いないからこそ、ポテトもスーパーも主人公たり得、彼らのような関係のふたりが成長するのを追いかけようと思うなら、恋愛以外のファンタジーが必要で、そのとき選択されたのが殺人事件だったのではないか。人間の汚い部分を体現する殺人事件が語られなければ、どこにもいない少年少女を存在させることはできない。彼らの存在原理そのものも、救いがないような気がする。文章は軽いのに読後感は重い。いつか愛すべき探偵ふたりは救いのある世界へと出て行けるのだろうか。
2004年06月17日
追記2016/02/25
キンドル版が出ていた。確認時の価格は590円。
盗作・高校殺人事件 (ポテトとスーパー) (創元推理文庫)
辻 真先
東京創元社 2004-06-11
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