国内独立国家考/あるいはカウンターとしての半島http://d.hatena.ne.jp/d-sakamata/20050130/p1

 他の箇所も面白いんだけど、とにかくぶっ飛んだのが、この話。

終戦直後の食糧難の時期には「司王国」という擬似国家が存在した。米どころである山形県庄内平野のほぼ全域を「領土」とするこの王国は、警察の取締まりに対抗して東京に住む人々を飢餓から救うという「国是」を掲げ(何せ当時は戦時中より徹底した食糧統制が続いており、配給以外のルートで流通するヤミ米は官憲によって厳しく取締まられていた)、三島の鉄道教習所に通っていた「皇帝」(庄内は「皇帝」の父親の郷里だった)ら28人の若者たちにより建国された。彼らの活動は具体的には、組織力を駆使して庄内から米を東京まで列車で送り届けるというもので、符牒としてアルファベットを絵文字化した「ツカサ文字」を考案したり、一万円を一ポンド、一円を一ペソなどといった具合に特殊な金銭の単位を用いたり、さらには元号や西暦を否定し、原爆が投下された1945年を紀元とする「原子暦」を制定するなど(この暦では1945年は「原子元年」と定められ、それ以前はB・A、以後はA・AX年と称された)実に遊び心に満ちていた。この「司王国」については、ルポライター児玉隆也が1974年に『諸君!』に発表したルポ(のち児玉の死後に新潮社から出された『この三十年の日本人』に収録された)にくわしい

 こんな人たちがいたのかよと驚かされる。
 もっと詳しく知りたくて司王国で検索をかけてみたものの、これ以上の情報は得られず。「この三十年の日本人」も絶版みたい。残念。
 あ! オンデマンドで出てる!http://www.shosai.ne.jp/CGI/search/search.cgi?mode=detail&syomei_no=3139