迷犬ルパンの桧舞台 (光文社文庫)
辻 真先
光文社 1988-07
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Amazonで詳しく見る by G-Toolsisbn:4334707726
「迷犬ルパンの檜舞台」を読んだ。カッパノベルス版は1984年7月発行で、副題に「SFまつり殺人事件」と書かれているが、文庫版にサブタイトルはない。
今回、朝日刑事ご一行が向かうのは軽井沢。目的はSFまつり、略称はカルコン。そこで起こる連続殺人をルパンは解けるのか? という話。政治あり、恋愛あり、お兄ちゃんと妹ありで盛りだくさん。
SFまつりが舞台なだけに、その当時の作家たちが実名で登場する。吾妻ひでお、新井素子、石川英輔、石川喬司、石津嵐、風見潤*1、小隅黎、高千穂遙、豊田有恒、永井豪、眉村卓、モンキー・パンチ、矢野徹。献辞を捧げられた作家だけでもこの人数。もちろん彩りを添える程度の友情出演なので、彼らが活躍するわけではない。
で、割と盛りだくさんでありながら、話のでき自体はあまり良くない。提示される解決は、辻作品特有の救いのなさが出ているものの、ユーモア推理小説という縛りがあったためか、ラストでとってつけたようなシーンがあって、全体を台無しにしてしまっている。正直なところ、失敗作だろう。
2013/06/13追記 キンドル版が出ていた。確認時の価格は630円。
迷犬ルパンの檜舞台 (光文社文庫)
辻 真先
光文社 2005-11-17
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*1:この人は本作の解説者でもある