ロンドン―ほんの百年前の物語 (中公新書)
小池滋
中央公論新社 1978-02
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読んだ。スコットランド・ヤードが成立していくくだりとか面白く、また、大量に引用されるディケンズの作品を読んでみようかという気分になった。あとがきによれば、
私がここで試みたことは、他人の目が見てそのペンで記した文献をかりて、ほぼ一世紀前頃のロンドンを描くこと――スケッチではなくて、文字どおり貼りあわせのコラージュを制作することであった。
と、あるが、読んだ印象もそれに近い。以下に目次を掲げておく。惹かれるトピックがあれば、ちょっと目を通すしてもいいかもしれない。
- 序章 大きなおできの町
- コベットの日記
- 増殖する腫れもの
- ディケンズ一家
- 第一章 逃れの町
- 音楽市場
- 有名無名の亡命者たち
- 貧困からの逃亡者
- 円形長屋の住人たち
- 第二章 コヴェント・ガーデン盛衰記
- 第三章 スコットランド・ヤード交響曲
- テムズ河畔の往事
- ラトクリフ大通りの殺人事件
- 警察近代化への着手
- ピーラーとラナーズ
- ラング判事をめぐる挿話
- 特別犯罪捜査班のはしり
- 名探偵のモデルたち
- 新しい時世のなかで
- 第四章 犯罪者の監獄と貧困者の監獄
- 大きな汚水溜
- ニューゲイト・カレンダー
- 処刑のショウ化
- 監獄の近代化
- 貧困者の監獄
- マモンの神への怨み
- 第五章 薔薇と堆肥
- 万国博の輝かしい年に
- 下水道で生活する人々
- テムズのさらい屋
- ロンドンのごみ集め
- 煙突の町の掃除少年
- 詩の大道商人
- 乞食商売さまざま
- ストリート・ガールズ
- ヴィクトリア朝ロンドンの憂鬱
- あとがき