黒博物館 スプリンガルド (モーニング KC)(モーニングKC)
藤田 和日郎
講談社 2007-09-21
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去年読んだ漫画(いやそんなに読んでないんだけど)で一番面白かったのは、「うしおととら」だったので、思わず読んでしまった。帯からして面白そうだったんだもの。
「また女が殺されたってよ」
「胸にゃ5本の爪痕がバッサリ…」
「巡査が飛び跳ねる影を見たんだとさ」「バネ足男が…帰ってきたんだ」
今回の舞台はヴィクトリア朝のロンドン。1837年10月11日から半年間、ロンドン各所で女性ばかりを驚かす愉快犯が現れた。脚にバネ足を仕込んで空高く舞い上がりそいつに、ついたあだ名は「バネ足ジャック」。1838年春、そいつはふっつりと姿を消した。
そして三年後、やつは殺人鬼となって戻ってきたのだった。
この設定からしてたまらないと思ったら、イギリスの都市伝説だったらしい。
バネ足ジャック(バネあしジャック / Spring Heeled Jack)は、切り裂きジャックが出現する数十年前に出現した都市伝説である。
切り裂きジャックに並ぶもう一人の『ジャック』である。切り裂きジャックと同じく、史実の事件が元になって生まれた都市伝説的存在であるが、こちらはより幻想的な存在である。このバネ足ジャックと呼ばれる男の正体は今もなお存在が確認されていないが、数少ない証言によると、「銀色の衣装に身を包み、消防士と偽り、出てきた相手に炎を吹きかけたり、ナイフで刺したりして逃走した」という。また、連続するバネ足ジャックの事件現場に駆けつけた警官は、「バネ足ジャックが数メートルの高さの壁をいとも簡単に飛び越えたらしい」と証言した。ヴィクトリア朝末期という時代にはこのような快楽的犯行を行う者がおり、この男こそバネ足ジャックではないかとも言われている。そしてその年を含む数年間はこのような事件が多発していた。
バネ足ジャック - Wikipedia
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熱血警部にちょっとひねくれた貴族、マッドな科学者。謎めいたキュレイター。どれもこれも素晴らしかった。過去の回想はなくてもいいかなと思ったが、それもマーガレットの台詞が良すぎたため。番外編のアーサー・シェルビーもいかす。
すごく良い物語だった。唯一の不満は短すぎることだけだ*1。
*1:もちろん、ダラダラ長くなるよりはこのままの方が良い