偽詐? 詐欺?

 内田教授の「福翁の「はげしい」勉強法」というエントリでの福沢諭吉の紹介の仕方がどうにも釈然とせず、この引っかかりの根拠がありそうなのはこれじゃね? と「学問のすすめ青空文庫)」を読み出したのだが、「偽詐術策」というフレーズで止まってしまった。偽詐ってのは文脈的には詐欺を働くことっぽいんだけど、もしかして転じたものなんだろうか?
 と思ってちょっとチェックしてみたところ、偽詐の初出は「語孟字義」(1705)なのに対して、詐欺の初出は続日本紀-大宝元年(701)の記事にあると出ている。近代以降では内田魯庵の社会百面相(1902)が初出のようだ*1。はてこのふたつの言葉の関係を調べるにはどうしたらいいのだろう? 別にわかったらなんだということもないんだけど、気になる。
 ちなみに詐欺の語源は因幡の白ウサギに由来するという説もあるらしい*2ので全然関係ないのかもしれない。

 自分用メモということで。

 ところで福沢諭吉って文が上手だね、すごく読みやすい。中身はここまでのところ、内田教授の主張とは相当隔たっている気がする。だって冒頭から、

ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人(げにん)となるなり。

 って書いてあるよ。(内田教授の主張に反論してるんじゃなくて、権威付け持ってきた福沢があんまり適材じゃないよねってだけの話なんだけど。でもリンク先のエントリの後半はピントがはずれている気がする)。

*1:ソースは精選版日本国語大辞典

*2:ソースが示されていたら確かめやすかったのになあ。