アホなファンのひとりごと

 
 いしけりさん(煩わせたくないのでidコールはしない)が撤収宣言をされた。端的にショックだ。これまでファン面したり、ヒーロー扱いしたりするがかえって迷惑になると思い、可能な限り言及を控えてきた。けれどももう降りると仰られているので一度くらい言及したって良いだろう。

 いしけりさんはすげえ大人だ。大人であることを引き受けた人だ。
 自分はいしけりさんの発言と著書のおかげでものの見方が変わった。
 しかし考え抜くのには根気が足りず、適切な把握をするのにはオツムが足りず、オフラインではあちらこちらで「俺はいまこの人のファンである」と公言しながら、実際には、ブログでアホな発言を書き散らかして、むしろ迷惑をかけたかもしれない。


 たぶんこんな気分なのは俺だけじゃないだろう。俺たちはこんな立派な人がいることを知り、浮かれ騒いでその人を疲弊させ、幻滅とともに追い出したのだ。


 俺たちはいったい何をやってんだ?*1


 弱い立場の人のことも考えなくちゃいけないよねって言いながら、実際には、そういう人を助けている人の足を引っぱって。


 本当に俺たちは、いったい何をやっているんだ。





*万が一ご本人が読んだときのことを考えて瓶詰めメッセージも書いておく。

 以前、匿名ダイアリでいしけりさんに投げられた問いとして、こんなのがあった。

・観客席にいるつもりの自称中立カルデロン一家の件を語ってみる

父親は覚醒剤の密売で逮捕され、母親は売春で摘発され、

それぞれ強制退去させられるが、娘は日本に身よりもあり母国の言葉は話せず戻すわけにはいかない、と

なったとき、俺がカルデロン一家を支援するようにこの一家を支援できるか、といえば、たぶんできない。

この場合だって、両親がそうせざるを得なかったのは日本の政策に原因があるからだとして、支援を行う

ひとたちはいるだろうけれど、その広がりは明らかにカルデロン一家よりは小さなものになるだろう。

でもさ、一家離散の悲惨さは同じわけで、どちらも等しく支援できなければ自称中立の妖怪どっちもどっちになるわけですよね。

卵がどれだけ間違っていても、壁ではなく卵の側に立たなければならない。

それは俺にはムリだし、だとすれば俺はそのときはバカウヨであらざるをえないわけです。

正直、こんなときはどうしたらいいんだろう

 このエントリ読んだときもいまも、正直難しい話だなあと思う。けれども、いしけりさんが弁護を引き受ける以上引き受けるだけの理由があると俺は信じます。無知や短絡や勘違いから迷惑をかけるかもしれないから、あまり触れることはないと思うけれど、それでもいしけりさんの活動は無条件に応援します。信じたんだからついていくって奴です。


 くれぐれも身体には気をつけて、理不尽と不条理を解きほどき続けてください。いしけりさんが夏休みの計画を練ることができるようになる日が来るのを祈ります。万が一自分でも役に立てる(なんかの数合わせとかでも)ことがあれば、いつでも声をかけてください。
 あなたのような人がいるのを知ることができただけで、ぼくはネットをやっていて良かったと思います。

*1:「たち」でくくられてムカつくってんなら、主語は「俺」に読み替えてくれ。その場合、これは独り言だ。読者のことを言ってるわけじゃない。久々にネットで呟く愚痴なんだ。