蓮見あつき『Kindle自己出版』

 キンドル・ストアのオープン以来、ちょっと気になっているKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)。以前内容をなんとなく見ていたら、七面倒くさそうに思えたのがアメリカのIRSへの申請だった。それをしないと向こうでも源泉徴収されるらしいのだが、申請についての記事を読むと頭が痛くなってくるので、個人的にはずっと正体不明な項目だった。
 で、先日、もっかいその辺調べてみようじゃないかと思い、見つけたのがこの『Kindle自己出版』。読んでみようと思ったのは内容紹介の、

この一冊で税金関連の手続きもわかり、作品公開までの足取りがわかります。
複雑な為に説明を避けている本も多いですが、通常そのまま販売をすると米国源泉税30%が掛かります。

本書は免除の為の手続きに関してテンプレートを用意しております。

SS-4 「雇用者番号 (EIN) の申請」に使えるテンプレートを用意、ネット、手書き、英語が話せる、それぞれの手続き方法
W8-BEN「米国の源泉徴収に関する受益者の外国でのステータスの証明」に必要なW8-BENテンプレートを用意〜など

 というくだり。まさにそれが読みたかったんだよ。
 と、思ったのも束の間、DL寸前になって99円が惜しくなりサンプルを読むことにしてみた。サンプルだと、「ロイヤリティ口座の登録、手数料が一番安い銀行は?」という項目の途中まで読めるようになっていて、中身は「海外からの送金は手数料が高かった! これでは電子書籍の印税なんて殆ど残らないではないか!」という発見から「1000円ごとの振込」を掲げるAmazonから裏技的にもう少しまとまった額での入金をしてもらう手立てを紹介し、そのあと手数料のかからない銀行として「新生銀行」と「CITI Bank」の名前が挙げられる。そのくだりのトピック名「新生銀行に電話してみた」とかが、どういうわけかじわじわとこちらに訴えてきたので、サンプル読み終えた直後に購入した。
 結果、看板にいつわりなしで大変くわしくIRS申請のやり方がわかった。KDPはここさえ突破すればあとはどうとでもなりそうな気がするし、類書中もっとも安価で情報的にも最新のものだと思われるので、興味がある人は一読してもいいんじゃないかと思った。著者自身の高揚感を除けば、変なあおりとか妙な論法とか全然なくてとっても読みやすかったし、結構当たり本だったと思った。
最新2013年調査Kindle自己出版〜KDPの優しい手引き〜
蓮見あつき

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蓮見あつき 2013-03-13
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