参議院議員山本太郎氏が配布していた秘密保全法反対チラシ


 昨日藤沢駅を通りかかったら議員の山本太郎氏が特定秘密保護法案反対の演説をしていた。街頭演説聞く習慣がないものなので、同法案に反対する演説というのを初めて聞いた。上は演説してる山本氏の周辺で通行人に配られていたチラシ。拡散希望っぽいことを言っていたのに、議員のページ見てもDLできるところなさそうだし、まさか皆さんに知らせてください! って言って配ってるもんをネットに上げちゃ駄目とはいわんだろうから、勝手に取り込んでアップロードしてみた。
 メディアが彼の行動をピックアップするようになって二年ちょっと、特に支持も不支持もなく眺めてた。俺は議員とほとんど年が変わらないのだけど、活動を追いかけていたことはないので、彼のイメージは海パン一丁でメロリンQって絶叫してる姿と、『バトル・ロワイアル』の無理目な高校生役くらい。それとどっからともなく流れてきた過激派がバックにいるのなんのって噂とか、質問の内容が別の人と丸かぶりだったとか、あとプライベートのごたごた。
 なもんだから、山本太郎ってのぼりが見えたときには、最初は秘密保護法の話をしていると思っていなかったので、どんだけヒステリックに放射能の危機感を煽り立てるのかお手並み拝見っていうか、拝見するつもりもなく、通り過ぎる気満々だったのだが、いや驚いたね、全然ヒステリックなんかじゃなかった。むしろいつも聞き流すほかの政治家のほうがよっぽどヒステリックに喚いてる(ちなみに藤沢でよく演説してるのは、自民・民主・幸福実現党などという印象です)。危機感を煽って聴衆の判断力を麻痺させようとするのが、街頭演説の基本じゃないかと偏見混じりに思っているんだけども、山本太郎の語り口は全然違ってた。ユーモア交えて、堅苦しい話題の間口を広げようとしていたし、「今やらないとすべて手遅れに!」の一本槍でもなかった。
 メモを取っていたわけじゃないので適当な記憶だけども、「この秘密保護法案はやばい。皆さんそう言われても、自分ひとり何かしたって何も変わらないと思うかもしれません。だけど、今潮目が変わりつつあるんです。皆さんがもう一押しすれば、こいつの成立が防げるんです。だからお願いします、力を貸してください」というような話をしていたと思う。
 で、上に掲げたチラシだけど、実はメインはこっち↓だ。

 東京選出の参議院議員が藤沢くんだり(ってか、そのまえは大船にいて、そのあとは茅ヶ崎、平塚を回ったらしい)で何してるのかと思ったら、各選挙区の議員に特定秘密保護法に賛成するなら、次の選挙では応援しないというメッセージをファックスかメールで送ってくれと訴えに来ていたのだった。それがこの法案を止める有効手段だと一生懸命訴えていた。
 正直に言うが、俺は彼が心底アホだと思った。神奈川でいくら聴衆を感心させても一票にもならないうえに、ネームバリューをいかして大政党に潜り込めば安泰だろうに、政治家全員敵に回すようなことを薦めて回っているのだ。損得で考えたら、つける薬がないような行動だ。
 それだけにあれこれ言われているけれど、この人本気なのねと思った。俳優だから精一杯冷静な演技して、口調や言い方で拒絶されないように一生懸命感情を抑えて、やばいと思うことを訴えているんだなと。いきり立ったらそれだけで主張の内容なんて聞いてもらえないから、必死こいて笑えそうなネタとか織り込んで喋っているんだなと。「メディアや政治家の言うことを鵜呑みにしないでください!」だけじゃ、届かないから「山本太郎の言うことも鵜呑みにしないで下さい。みなさん、自分で調べて下さい。それでこの法案がまずいと思ったら、行動して下さい」って言っているんだなと。
 俺は特定秘密保護法案の保護年数更新できますってところと、何を秘密にしたかは教えませんってところは、この法案が守れる利益と比較しても怖すぎて賛成できないと思ってる。その一方でこれが直接表現の自由を脅かすという山本議員の主張(たぶんそういう趣旨の発言をしていたはずだ)には首を傾げた。演説聞いたほかの人たちはどう思っていたんだろうな。
 その一方で論理性とか妥当性云々とは別に、個人的には方向性さえまともなら本気のアホは応援したいという気分もある。
 世の中には議員の主張に賛同する人もいるだろうし、ファックス送りたいが書式がわからない。もらったチラシなくしたって人もいるだろう。もしそんな人が、このエントリーまで辿り着いたら、上の画像を右クリックして「名前をつけて画像を保存」ってのを選択すると、PCに用紙が落ちるからプリントアウトすればそのまま使えるよ。なお、政党のページにリンク張った以上は先方もこの記事を見るだろうし、場合によっては不都合だと判断されるかもしれず、その旨連絡が来たら、おとなしく画像データも記事も削除するので、取っていくならお早めに。
 正直ついでにもう一個喋っておけば、この程度のことはしてもいいかと思うくらいには、山本太郎の訴えは真摯で誠実だった。たまたま出かけただけだったんだけど、いいもの見たなと思う。

 ……って、こんだけ書いたあと、チラシのURLを知るとか。わかりにくんだよ、畜生! サイドバーに出しておいてくださいよ! 
 明らかに元データの方が鮮明です。
街専用チラシ表
チラシ裏
 送りつける議員の連絡先はこの記事のいちばん下に県単位でリストになっていた。

 つーことで激しい空振り感にさいなまれつつ、こんだけ書いたのにお蔵入りになんてできるかって話でアップする。他人様をアホ呼ばわりするまえに、調べることをちゃんと調べましょうねという教訓を得たという話でした。はい。それはそうと山本議員には、昨日の語り口を失わないでいてほしい。あれは届く言葉だった。