C. S. Lewis The Silver Chair

The Silver Chair (Chronicles of Narnia)
C. S. Lewis Pauline Baynes

0064471098
Harpercollins Childrens Books 1994-08
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 ナルニア国第六弾(出版順だと第四弾)。今回の主人公はThe Voyage of the Dawn Treader(感想)にも登場したユースチスと、彼のクラスメートジル・ポール。アスランによってナルニア国へと呼ばれた彼らに与えられた使命は、行方不明になっている王子リリアンを見つけること。彼らに協力するPuddleglumというキャラクターがいつも悲観的なことばかり言っていて、なかなか良い味を出していた(邦訳では「泥足にがえもん」なんて名前になっているのか*1)。ユースチスとジルがナルニアについたところで、耳の遠いドワーフが、ドリフのコントみたいなボケ*2かますのだけど、いったい訳はどうなっているんだろう。
 話自体はいつもどおりに淡々と進み、さしたる苦労もなく目的は達せられる。みどころはむしろあのプリンス・カスピアンがすっかり老いさらばえていて、哀愁を誘うところとかではないか。ちなみにリリアンはカスピアンの息子だ。
 しかし読み終えて一番印象に残っているのが、王子救出のエピソードではなく、ケンタウロスは人の胃袋と馬の胃袋の両方を持っているから大食いだという話だったのは、なんだかなあ。あーあとフクロウの集会とか、女王のメッセージのダブルミーニングとかも面白かった。しかしやはり敵が弱すぎるというか、倒してもいまいちスカッとしないんだよなあ。悪役が頑張ることは大変重要だと思った。

*1:ウィキペディアの項目参照。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%99

*2:Jillがkillに、Eustaceはuselessやused to itに聞き間違えられる。