科学者(scientist)の初出

 小山慶太の『ファラデー 実験化学の時代』をぱらりと捲ったら、いきなり面白い記述にぶつかったので、これも何かの縁と抜き書きしてみることにした。

ファラデーへの助言もさることながら、ヒューウェルはもうひとつ重要な言葉を創りだした。それは、「科学者」(scientist)という呼称である。一八四〇年に著した『帰納的科学の哲学』の中でヒューウェルは、「一般的に科学の研究者を表す名称が必要とされている」と書き、「サイエンティスト」という造語を用いたのである。
 やや意外な感じもするが、このときまで、こうした言葉はなかったわけである。

(118ページ)

 へええ、十九世紀が初出なのか。それまではなんて言っていたんだろうと思って、ヒューウェルの項目になんか書いてあるかなとウィキペディアを覗いた。英語版に「それまではnatural philosophers" とか "men of science"と呼ばれてたよ」って書いてあった。
 勉強になった。

ファラデー―実験科学の時代 (講談社学術文庫)
小山 慶太

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