#収容ストップワンコインアクション のこと

 先日こんなことがあった。

 ほとんどの人がドトールで隣にいた人と同じく「え、何それ」ってな反応だと思う。
 実は今、全国5カ所の入管で無期限長期収容に抗議するハンガー・ストライキが収容された人たちによって行われている。
 おれの見た話だと参加者3桁。今回、大規模なハンストが始まったきっかけは長崎で収容されていた人が抗議のハンストをして亡くなったことだった。
 上のツイートに載せているハガキは各入管に送る抗議のお葉書である。

 と、たった4行書いた時点で、すでに「なんで収容されてるの?」という疑問を読んだ人が持つだろうと思われるので、そこを補足しなくちゃならないが、いきなり途方に暮れるのをいかんともしがたい。収容されているのは主に難民申請はねられたり、入管法違反とされたりして、もとの国に帰れと言われた人たちだったりすると書けば「それなら仕方ない」って考える人が多数なのが目に見える。難民申請の通る率が先進国のなかで異常な低さを弾きだしているとか、ずっと日本で暮らし、仕事を持ち、税金を納め、家族もいるような人がビザの更新にいって更新が認められない(理由は開示されない)とその瞬間に入管法違反にされてしまうとか、全然仕方なくない話だし、帰るに帰れない人を帰るというまで閉じ込めておくというのは、国連の拷問禁止委員会から是正勧告出てるので、このシステム完全に国の汚点だしとか、1個1個かみ砕いて説明するオツムもないし、たとえオツムがあったとしても、相手がそれに全部耳を傾ける根気の持ち主であると想定するのは無理だと思う。(相手の時間と根気がバリアになってしまうの、報道量が全然足りないせいなんで、もしメディア関係者がこれ読んだら、マジでもっと報道してください)
 だからどうしても、この辺の背景知識がすでにある人か、ここまで読んで「なにそれひどくない?」って思える人を読者対象とするしかないんだけど、そうした人たちにぜひ見てもらいたいのがこちらのブログ(薄荷らぼ。)である。エントリータイトルにした #収容ストップワンコインアクション の内容はここにあらかた書かれている。
hakka-pan.blog.jp

 ドトールで話しかけてきてくれた人に「このブログ読んでください」と言えばよかったとずっと思っているので、ここで紹介する。できたらはてブなりツイッターなりフェイスブックなりラインなりで拡散してほしいし、できればオフラインでも話題にしてほしい。#収容ストップワンコインアクションはカチカジャ!いばらきさんがこのツイート


から始まるスレッドで呼びかけたアクションなんだけども、薄荷らぼ。さんの記事のほうが一覧性に優れているので紹介しやすいと思う。


 で、上のブログ見た、自分も参加したいと思う、けど文面がまとめられないという方に紹介したいのが破レ傘/肉球新党諏訪支部さんの出してくれている文例。


 ネットプリント期間は終わっているけど、画像をクリックすると文例は読める。
 もっと短くパンチを効かせたいなら、カチカジャ! いばらきさんの文例を参考にしてもいい。
 ただよしくんさんのは、パンチが効いてるうえにちょっとポップ。こういうのもインパクトありそう。

 もっと柔らかい感じがよければ、結希さんのが印象的。これちょっと新しいって思った。


 大事なのは文面自体よりも数による意思表示なので、おれなんかは文面そんなに工夫しないで「長期収容やめろ」的なこと書いてるだけだけど、イラスト描ける人はイラスト描いたりすると、読むほうも引き込まれるかもとは思う。ちょろっとなんか加えるだけでもいいかも。れいなさんのこれとかかわいい。

 あー、あと、あれ、「出したいけど、国の機関に文句言うのはちょっと怖い」って人だったら、住んでる県と市町村のあとに「一市民」って書けばいいよって、破レ傘/肉球新党諏訪支部さんの文例画像のところに書いてあったので、名前出すのに抵抗がある方はそんな感じで。
 ハガキ出す暇がないという方なら、法務省の「法務行政に関するご意見・ご提案」の投稿フォームから意見を送ることができる。
www.moj.go.jp
 こっちの文例もカジカシャ! いばらきさんが作ってくれている。


 最後に薄荷らぼ。さん記事でアクセントが置かれなかったほうの話。おれがこのアクションを広げるべきと思ってる理由のふたつめ(ひとつめはもちろん死人を出すようなシステムはどうにかしなきゃいけない)はカチカジャ!いばらきさんの連ツイのこの部分。上記ブログから孫引きする。

先に職員が辞めたという話をしましたが、収容者の話を聞くと現場の職員も相当ストレスを感じているようです。

「だって面会来て話聞くだけでも大変でしょ?担当たちは毎日いて愚痴や文句を直接ぶつけられるんだもん」(エチオピア出身Yさん)


合理的な理由もない、誰にも何の利益ももたらさない長期収容の強制という仕事は、まともな神経を持つ者なら、つまり外国人をいじめるのが楽しくて仕方がない人や、仕事のために完全に心を殺せる人でない限り続けられるものではないのです。


収容者からは、職員が愚痴をこぼしていたという話も聞きました。理系の大学や大学院を卒業し、他に就職できるところがなくて職員になった人もいるそうです。そうした職員は「だまされた。こんな仕事だなんて聞いてなかった」と言っていたそうです。


驚くことに「自分はこのような長期収容に反対だ」という職員もいたとか。

入管職員はしばしば甘言を弄して収容者をだましたり利用したりすることもある(あった)そうなので鵜呑みにはできないかもしれません。しかし彼らもまた人間であり良心を持っていると信じたい。


別の言い方をすれば収容者に近い立場の職員ほど、入管の理不尽さー仮放免は出したくない、ハンストしたから仮放免を出すという前例も作りたくない、しかし死者を出すのはまずいーによって生じるジレンマに苦しんでいる(収容者の苦しみとは比較にならないとはいえ)はずです。


これは、このツイートをチェックしている入管職員の方に向けて書きます。

理不尽な長期収容などやめたいけど仕事だからやめられない。自分は意見を言える立場にない。でもやめられるなら、やめられる理由・口実があればやめたい。

そうではないですか?


現場の苦労を知らない(もしくは忘れた)、足を運ばないお偉いさんは気楽ですよね。万が一事故が発生しても「事故がないように万全を尽くしてきた、これからも万全を尽くす」としれっと言って会見終了。あなたたちの何倍もの給料をもらっているのに責任も取らない。

ムカつきません?


やめたいけどやめられない、でもしっかりした理由・口実があるならやめたい。

だとするならば私たち市民でその理由・口実、大義名分を作りましょう。

「市民からの大量の批判・抗議」という理由です。

「誰にでもできる人助け」は実はダブルミーニングだと思っている。ひとつめはもちろん収容されている人たちを助けるという意味だけど、もうひとつは入管職員が壊れるまえに彼らを助けるという意味もある。これを読んでる人が「気持ちはわかるけど職員だって仕事でやってるんだし、抗議とか迷惑かけるのは」みたいな思考の持ち主かもしれないと思うから書くんだけどね、長期収容されてる人たちは精神的に参っていくんだよ。そうさせるのが自分の仕事ですなんて胸張れる人そうはいないっしょ。職場に抗議デモがやってきて要求が「まっとうな食事」と「まっとうな医療」を与えろなんて言われるの、自分が職員だったらすげえ情けないっしょ。仕事だから仕方ないってのは経済的理由その他で辞めるわけにはいかないってことじゃない。仕事内容を替えさせりゃ辞めるかこの苦役を続けるかなんて二択も消滅するじゃない。助けてやろうよ、入管の職員。まともな人から辞めてくような状況変える手伝いしてやろうよ。今のシステム、マジで誰も幸せにしないから。