ジョン・ディクスン・カー 加賀山卓朗訳『三つの棺』

三つの棺〔新訳版〕
ジョン ディクスン カー 加賀山 卓朗

B00VFW2280
早川書房 2014-07-09
売り上げランキング : 42805

Amazonで詳しく見る
by G-Toolsasin:415070371X

 17章の密室講義ってのが有名な本。10年以上前に一度挫折して、新訳出たから再挑戦。今回は読み終えることができた。
 内容はこんな感じ。

【オールタイム不可能犯罪ミステリ・ランキング第1位! 】 ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと帽子で身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れる。やがて二人が入った書斎から、銃声が響く。居合わせたフェル博士たちがドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた! しかも密室状態の部屋から謎の男の姿は完全に消え失せていたのだ! 名高い〈密室講義〉を含み、数ある密室ミステリの中でも最高峰と評される不朽の名作が最新訳で登場!

 プラスこの事件の直後に容疑者だと思われた人物も殺されていたことがわかって、その状況も摩訶不思議で……って感じに話は続く。
 2時間サスペンスなら真相になりそうなエピソードが前半のうちに出てきて、おお、これは楽しそうだと思ったのだけど、そっからあとはどういうわけかさっぱり入り込めず、正直、面白くないのではないかと思ったりしたが、とにかく密室講義まで辿り着かねばと我慢に我慢を重ねて、17章へ。しかし、有名だってだけで、面白さを保証するものではなかったっていうか、おれ、この箇所だけ訳されたやつをどっかで読んでた! びっくり! 『黄色い部屋の謎』と『ビッグ・ボウの殺人』のネタが割られていた!
 とか言ってるうちに、8割近く読んだことに気づき、まあ有名作品だしいちおう最後まで読むかとページをめくっていったのだけど、解決篇になったらにわかに面白くなってまたびっくり。特によかったのは花火関連。評判を信じてよかった。
 そんなわけで推理小説は最後まで読まないと面白いかつまらないか判断できないということを改めて学んだのだった。