神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)
ブッツァーティ 関口 英子 
光文社 2007-04-12
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作者は魔術的幻想文学の書き手として世界的に名高いイタリアの作家。本書は22編を収めた短編集。表題作の他、「コロンブレ」「戦の歌」「グランドホテルの廊下」「護送大隊襲撃」「一九八〇年の教訓」「わずらわしい男」「驕らぬ心」「戦艦《死》」「この世の終わり」がそれぞれに面白かった。オチが良い、とか、設定が面白いとか、ひとつのカラーにまとまることを拒否するような作品群で、特色といえば気軽に神様が出てくるところだろうか。
特筆すべきは翻訳の素晴らしさ。同じ訳者の「猫とともに去りぬ（amazon）」も読みたいと思わせるほど、無理のないまともな日本語にされていて、痺れた。この作者と訳者の組み合わせで他の本も読んでみたい。そんなこと考えたのは、オースターと柴田元幸以来かもしれない。
ちなみに、amazonで検索をしてみたところ、ブッツァーティの本は、他に二冊、邦訳が手にはいるようだ。
石の幻影―短編集
ディーノ ブッツァーティ Dino Buzzati 大久保 憲子 
河出書房新社 1998-12
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タタール人の砂漠 (イタリア叢書)
ディーノ ブッツァーティ Dino Buzzati 脇 功 
松籟社 1992-01
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