絶望 (光文社古典新訳文庫)
ウラジーミル ナボコフ 貝澤 哉
光文社 2013-10-08
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大学のときにいくつ授業を取ったのか、しかとは覚えていないのだけども、なんとなく記憶に残っているものに、ロシア文学基礎講義(だったかなあ)という半期のものがあって、何をしたかと言うと、ビデオで『僕の村は戦場だった』を見た。担当の先生は口が大きく、歯も大きく、眼鏡をかけていて髪がサラサラな若めの方でタルコフスキーの水のモチーフなどを指摘しつつ授業は進んだ。別にどうということもなかったのだけども、その解説だか合いの手だかがなかったら、こんな映画、絶対面白いと思わなかっただろうなと、当時思った記憶が残っているのは、その合いの手のせいで『僕の村は戦場だった』が面白く感じられたからだった。
で、その先生のお名前が訳者のとこにあったから、買ってみたよ。ナボコフがロシア語で書いていた時期の一作。
モチーフは保険金殺人で、犯人の一人称で話は進む。解説でとんでもないネタバレしてるから、先を楽しみたい人は読まぬが吉だけど、先に読むと、仕掛けがわかって楽しみ1・5倍。上で書いた授業のことを思い出した。おれは解説なかったら吃驚できず楽しめずだったかもしれない。
訳文も中盤の延々とひとつの段落が続いていくところとか、結構愉しく読める文になってて、とてもよかった。
追記2015/04/24 キンドル版が出ていた。確認時の価格は1058円。
絶望 (光文社古典新訳文庫)
ナボコフ 貝澤 哉
光文社 2013-10-20
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