道化の民俗学 (岩波現代文庫)
山口 昌男
岩波書店 2007-04-17
売り上げランキング : 28935
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エロスと笑い、風刺と滑稽に満ちた祝祭空間で演じられる《道化》の意味とは何か――コンメーディア・デラルテの主人公アルレッキーノや狂言の太郎冠者、中世劇の悪魔と道化、ギリシャ神話のヘルメス、アフリカのトリックスター神話、古代インドの黒き英雄神クリシュナ、アメリカ・インディアンの道化集団など世界の民俗に分け入って、博引傍証、縦横無尽に議論を展開する。文化英雄としての道化の本質を明らかにし、一九七〇年代の知の閉塞状況を打破した記念碑的著作。
という本で、たまにトリックスターとかそういうのを扱う本を読むと、結構な頻度で言及されているものだから、一回実物に触れておこうと思って読んだ。
以下目次。
- 第一章 アルレッキーノの周辺
- 第二章 アルレッキーノとヘルメス
- Ⅰ
- Ⅱ
- Ⅲ
- 第三章 アフリカ文化と道化
- Ⅰ
- 一 社会構造と道化的行為
- 二 演劇的行為としての「ジョーク」
- 三 王権と道化
- 四 道化的知の空間
- Ⅱ
- 一 いたずら者=文化英雄
- 二 擾乱者エシュ=エレグバ
- 三 エシュの両義性
- 四 「いたずら者」エシュとエロス
- 五 文化のなかのトリックスター
- 第四章 黒き英雄神クリシュナ
- Ⅰ
- Ⅱ
- 一 クリシュナの黒さ
- 二 「姉妹の息子」クリシュナ
- 三 クリシュナと成年式
- 四 クリシュナと二元論的世界観
- 五 トリックスターとしてのクリシュナ
- 第五章 アメリカ・インディアンと道化の伝統
- 一 蘇るインディアン
- 二 道化と想像力
- 三 道化と禁制の侵犯
- 四 道化と日常世界
- 五 道化の反社会性
山口昌男ってほかに2、3冊は読んでいる記憶があるんだけど、これはいちばん読みにくい気がした。バフチンとかキャンベルとかお馴染みの名前も登場してるんだけども、解説読むと、お馴染みにしたのが本書だったみたい。上に掲げた目次見て楽しそうと思う人は実際楽しめると思う。自分は前半のアルレッキーノ(イタリアのキャラクターで、仮面の人物)を扱ったところが特に面白いと思った。
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