エドワード・D・ホック木村二郎訳『サム・ホーソーンの事件簿2』

サム・ホーソーンの事件簿〈2〉 (創元推理文庫)
エドワード・D. ホック Edward D. Hoch

4488201040
東京創元社 2002-05
売り上げランキング : 291468

Amazonで詳しく見る
by G-Toolsasin:4488201040

 二冊目。脇役のレンズ保安官がいい味を出していた。「伝道集会テントの謎」でサム・ホーソーンしか犯行の機会がないところで、一生懸命それ以外の人間にも犯行が可能だったんじゃないかと提案する場面とか。鈍いサムが出される可能性を片っ端から却下するもんだから、とうとう、頭に来て、

先生、あんたに逃げ道を与えようとしてるのがわからないのかい? ええい、おれは先生を逮捕したくないんだよ

 と、怒鳴ってしまう。仲間意識に篤い保安官である。なのにサムからは別のエピソードのときに、

七年前にレンズ保安官と知り合って以来、彼と人間味のある会話を交わしたのは、それが初めてだなと思ったよ。

 などと独白されてしまって、超可哀想。だけども、「八角形の部屋の謎」では保安官の結婚式が催されてちょっとよかったねと。個人的には、「食料雑貨店の謎」「ハウスボートの謎」「八角形の部屋の謎」が面白かった。あと、ボーナス短編としてサム・ホーソーンシリーズではない作品「長方形の部屋」が収録されていて、これも面白かった。
 明日からのんびりと三冊目に突入しようと思う。