エドワード・D・ホック木村二郎訳『サム・ホーソーンの事件簿4』

サム・ホーソーンの事件簿 IV (創元推理文庫)
エドワード・D・ホック 木村 二郎

4488201067
東京創元社 2006-01-21
売り上げランキング : 307414

Amazonで詳しく見る
by G-Toolsasin:4488201067

 4冊目。「二つの母斑の謎」「要塞と化した農家の謎」「田舎教会の謎」「グレンジ・ホールの謎」「革服の男の謎」「幻の談話室の謎」がよかった。一作だけ挙げるなら表紙にもなっている「革服の男の謎」。あと二冊で終わりかあ。
ああ、それから、本書で一番感慨深かった箇所を挙げておく。「消えたセールスマンの謎」の一節。

 わたしが一九二〇年代にノースモントへ来て以来、わたしとレンズ保安官は長いあいだ友人同士だった。わたしはときおり個人的に保安官夫妻と付き合っていて、年齢の違いはあっても、彼のことを町で一番の親友だと見なしていた。

 人間味のある会話をかわすまでに七年もかかったが、とうとうレンズ保安官はサムから親友と見なされるまでになった。『花子とアン』の醍醐さんレベルの大出世である。よかったなあ保安官。