岸田首相は山際大志郎経済再生担当相を更迭するべきである。

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 山際大志郎経済再生担当相は3日、青森県八戸市で街頭演説した際、「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞かない。本当に生活を良くしたいと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と述べた。野党議員の意見なら無視するかのような閣僚の発言として批判を招く可能性がある。

 感想は記事タイトルのとおり。
 自民党、調子乗りすぎって意見が多いんだけど、これさ、現役閣僚の発言なわけで、自民党が調子に乗っているだけで済む話ではない。
 閣僚が選挙の結果を堂々と歪めにかかったということであり、「野党の人から来る話はわれわれ政府は何一つ聞かない」というのは議会制民主主義を否定した独裁宣言でもあるからだ。
 野党の人から来る話を政府は何一つ聞きませんというのは、野党とその支持者の参政権を認めないということである。
 参政権があるのは自公とその支持者だけだと言っているのだから、独裁宣言で間違いない。
 これを現役閣僚が口走り、なんら問題にならないとすれば、政府がそういうつもりで国会と対していることになる。
 岸田に聞く力があるとかないとかそんな些末事はどうでもよく、民主主義国家の土台を失っているのかどうかが問われている。
 この発言で失われる政府の正統性は、本人が希望しての辞任したところで回復しない。
 必要なのは政府による派山際発言の全否定と山際の行政府からの排除だ。
 それができないのなら、この国の政府はもはや自分たちを民主主義国家の政権だと認識していないことになる。
 これは政権を支持するかどうかとか、どの政党を支持するかどうかとはレベルが違う話だ。
 今回に限っては岸田首相は本当に決断と実行ができなければならない。
 そうでなければ、岸田首相は民主主義国家の首相の座に就いていてはいけない。
 それぐらいの発言を山際はしたのだし、こんな発言は絶対に流されてはいけない。
 首相の迅速な対応、およびそれを引き出す適切な報道がなされることを期待する。

追記:20220705 
 注意だけで終わりの対応。例によって「誤解を招く」の話法ですぐに忘れられると高をくくっているようだ。
 時事以外に最初の発言を報じた記事は見つけられなかったのに、注意したという記事だけを書いている新聞社はちらほら見える。どれもみな、自民党の議員が野党批判をしたという文脈にして「政府は野党の話を聞かないから自民党に入れろ」と発言したかのように報じている。
 最大のポイントは現役閣僚が「われわれ政府は」という主語で発言したことである。
 各社はわざとやっているのか、わかっていないのか。前者なら報道は政府の靴を舐めて死んだ(そういえば報道の自由度ランキングは世界72位とかでしたっけね)状態、後者なら報道のリテラシーが死んだ状態。
 いずれにしても惨状だ。
 こんな惨状では投票率が上がっても結果は変わらないだろう。
 よくわからないと思った人の頼る情報が忖度に塗れているか、さっぱりわかっちゃいない人間の手によるものかのどっちかなのだから。
 ちょっと辛いよね、メディアが駄目なの突きつけられるって。毎回辛い。