『聖フランシスコ・ザビエルの首』

ザビエルの首 (講談社ノベルス)
柳 広司

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講談社 2004-10-07
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 主人公はフリーライターの修平。オカルト雑誌のキリコ女史から九州で発見されたフランシスコ・ザビエルの首を取材してこいと命じられ、やってきました栗須村。そこで始まる連続殺人……って展開かと思ったら、首ザビエルのミイラと目があった修平の意識はタイムスリップで、目の前には生きているザビエルが。
 修平はその地で起きた殺人事件を解き、現代に帰り、また呼び戻されて彼の時代へ飛び、事件を解き、現代に戻りを繰り返すこと数度、ザビエル最大の謎へと近づいていくという形で進む連作短編集で、一個一個の事件のコンセプトはこれまで読んだ諸作品の繰り返し。詰まらなくはないが、ちょっと微妙。ラストの台詞で続編を示唆しているようにも見えるけれど、これをシリーズ化するくらいなら、違う話を書いてもらいたいところ。他のブログではこれで柳広司に初めて接したが詰まらなかったなんて感想もあって、他の作品はもっと面白いのにもったいないことだと思ったり。
 んで、なんで途中に「これまでのあらずじ」が挿入されるのか不思議だったんだけど、どうやらメフィストに連載されていたようだ*1
 さらにあちこち覗いていたら、作者の知り合いのはてなダイアリーに作者紹介が出ていた。こちら
 大学時代のあだ名は「ゴルゴ」で「酔うとモノに当たる傾向がある。試合の打ち上げの後など、大抵どこか怪我をしていた。」ってのが面白い。作品のイメージとはずいぶん違うなあ。