明治政府の言い訳

 日本の歴史〈20〉明治維新より。
 明治維新時、王政復古をなしとげた新政府が、マニフェストをどう畳むか苦心している話が出てきて、言い訳に使われたたとえ話にウケたので引用。

「御一新と云うと、何でも新しくなることに違いはないが、ここが下々の者の心得ちがいの出来そうな所じゃ。御一新というと、ちょっと考えると、手の裏を返すか、または暗の夜がにわかに白日になるように思うであろうが、なかなかそのりくつにはいかぬぞ。暗の夜が明るく昼になるのも、にわかにはならぬ」(だんだんに夜は明ける)
「下々で考えるように、手の裏を返すように夜が昼になってみたがよい、どれくらいうろたえるか。たとえば、夜る夜中に、人目を忍んですることがあろうが、そこへにわかに御日様が御出なされては、たまるまいではないか
(カギ括弧の中は引用元カタカナ。太字は引用者。)

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 エロいこと(あるいは悪いこと)をしてるとき、急に昼になったら困るだろ。それと同じで全部ひっくり返すのはまずいんだよ、分かった? ってのが文意らしいが。昔から威勢の良いことを言って民意を掴む人々はそれをなかったことにするのに苦労しているようだ。これを読んだとき新政府ってのは社会党みたいなもんか? と思ったが、軍事力があれば、こんな苦しい言い訳も通すことができるらしい(いやかなり通しきるのに苦労したみたいだけど)。
 なお感想は思いつきに過ぎないので「おまえは分かってない」と言われても「へえ」としか答えられません。