エスパー魔美の主題歌の歌詞


 明け方急に頭の中でループがかかったこの曲、調べたら放映時期は1987年〜89年だったそう。いまの知名度がわからないので一応説明すれば、動画に出てくる赤い髪のすごい寝癖をした女の子がヒロインの魔美である。赤い毛は地毛であって、決してヤンキーではない。売れない画家のパパのため、ヌードモデルをつとめてあげる中学2年生の女の子だ。もちろんエスパー*1ウィキペディアで調べてみたら身長の設定は153センチなんだって。どう考えても嘘だろうと思った。
 まあとりあえず、歌を聴いてみてくれ。なかなかウキウキしてくる名曲だと思うんだ。
 で、リアルタイムで見たきりだったので、歌詞の意味なんて考えたこともなかったんだが、さっき歌詞をぐぐってみたら、ポップなメロディーとは裏腹な内容だったので驚いた。以下歌詞のソースは歌詞タイム

「好きよ」と言い出せないうちに
貴方のロッカー 奪ったlove-letter
Pinkの噂が 二人を近づけて
Ah Ah私は敏感・情熱 また一人

 20年以上、意味がわからなかった冒頭の展開。しかし文字で読み直すと腑に落ちた。ラブレターは語り手ではない誰かが出したものだったのね。もっとも歌詞で読んでも「敏感・情熱」のところはわからないけれども。語り手はどうやらこの4行で失恋したようだ。

口笛吹いて 夏の風にKiss
英語の辞書を一枚 破り
マジックで「Wanted My Boy Friend」
ツイてないね 紙ヒコーキ 先生に命中

 気にしていないようなそぶりで口笛ぴーぴーして、さりげなく辞書を破り、マジックで「Wanted My Boy Friend」と書き込み紙飛行機を作る。これは何かのおまじないなんだろう。(たしか魔美の先祖は魔女狩りの被害にあったという話だったので、家に伝わっていたのかもしれん)。なつかしのマイ・バースデーとかに載っていたのかもしれない。
 それにしても「Wanted My Boy Friend」ってのが、中学生の書きそうな文だよな。「私の彼氏が欲しかったです」。そして辞書の紙で作った紙飛行機はちゃんと飛ぶのかというのが、二十数年目の疑問。ずっとマジックをmagicだと思っていたので、魔法がどうこう言っているのだと理解していた。

テレポテーション 心の翼が
テレポテーション 今 時間(とき)を飛ぶ
私だけが 私の恋をAh未確認

 4行目で「また一人」と言ったのとはどうつながっているのかが気になるが、次の恋がまだ確認できていませんという意味なんだろう、たぶん。そうするとその前の二行は未来予知の話をしていると思われるから、「ずっと恋人なんてできないの」と嘆いている歌だということになる。「私だけが」も「他の人は私の恋を確認できる」という意味(これまでそういう意味だと思ってた)ではなくて、「私だけが他の人とは違って私の恋をAh未確認」なのね。

 ということで、わかってなかったんだけど、どうやらこれは失恋あとの泥沼気分を歌ったものだったようです。2番でも「私はいつも相談相手」と嘆いているから、モテないロードは歌が終わるまで続く模様。
 メロディーにずっとだまされ続けていたわあ。3番が「敏感・情熱いまふたり」になることを遅まきながら願っておこう。



*1:桜庭一樹が非常に創作意欲をかきたてそうな設定だよな、これ。