先月から一ヶ月ほど叔母が滞在していった。
それまで裁断機置き場に使っていた部屋を人が泊まれるようにせねばならず、裁断機を自室に持ち帰ったまではよかったが置くところがない。
それをきっかけに、部屋の掃除など始めたのだから、人生、何がどう転ぶかわからない。
机の上に溢れかえった本を全部どかし、裁断機を置き、溢れた本は片っ端から切ってデータにしてものは捨てた結果、いつしか床が見えてきた。床が見えると、埃が気になる。最初は小箒で掃いていたが、床面積が拡がるにつれて、もうちょっとさっさとやりたくなった。
そこである日、クイックルワイパー(amazon)を導入した。すると、ドライシート両面使うのに自室は狭く、まだまだ使えるシートを捨てるのは忍びなく、かつ汚れかけのシートを放っておくのもむずむずしたため、階段掃除などを始めてみた。
一人暮らし時代、やってきた友人が鼻をかんだティッシュを、そのまま床に捨てた(「え、だって部屋中ゴミ箱みたいなものじゃん」と言われた)部屋に平気で暮らしていた人間的には、この時点で革命的出来事であったが、毎日階段にクイックルワイパーをかけ、勢いで一階の床にもかけたりしていると、床がさらさらとして歩くのがなかなか気持ち良い。
人間不思議なもので、一部綺麗になるとほかのところが気になり始める。築二十年を超えている我が家には見れども視えずな、部分が多量にある。特に壁面などは、歴代の猫が残していったクシャミとか、もっと触りたくないものとかの跡があちこちに点在し、電気のスイッチパネルは手垢に黒ずみ、台所のタイルは油でベトベトである。
信じられないことにそれらが気になり始めた。
ある日ふと、アルコールの染みたウェットティッシュで、タイルの一枚を拭いてみた。なんとなく。そうしたら綺麗になった。綺麗になると隣のタイルの汚れが気になる。ので、隣のタイルも拭いてみる。そうこうしているうちに、やってみるかと思う範囲はどんどん拡がっていき、風呂掃除なども始め、なんだかわからない鱗状の白いやつとの格闘が数日続いた。ほんとうに落ちなかったものの、鏡ガラス用 ダイヤモンドパッド S(amazon)という商品がいいよ、という記事を見て、試してみたら、見事綺麗になってくらくらするほど感動した。機関銃を撃ちまくる薬師丸ひろ子よろしく「か・い・か・ん」となった。
この調子でちょっと検索すれば、壁の黒ずみとか無茶苦茶落ちる品も出てくるんじゃなかろうかと検索して、ヒットしたのがタイトルにした「激落ちくん」である。
激落ちくんはぱっと見、白いスポンジだが、水で濡らしてこするだけで汚れが落ちるドイツ生まれの優れものらしい。気になる。うずうずするほど気になる。
というわけで、友達と呑みに行く予定が入ったのを幸い、ドラッグストアに付き合わせ、さっそく買ってみた。種類はいくつかあるみたいだけども、今回は「メラミンフォーム 激落ちくん(amazon)」というのを買ってみた。
楽しく呑んで帰ってきたあと、いよいよ開封である。スポンジという割に、思ったより硬い印象のはんぺんみたいな白い物体が出てきた。これをはさみで好きなサイズに切って使えとある。
言われたとおりに切って水に濡らして使ってみた。
軽くこすっていったところ……壁が輝き始めた! なんじゃこりゃってレベル。今まであんなに苦戦していた黒ずみが吹き飛んでいく。まさしく激落ち!
積年の手垢が層を成して、アルコールしみこませたウェットティッシュくらいじゃびくともしなかった電気のスイッチ回りも新品同様(とまではいかないが、かなり)綺麗になった。「嘘だ、すげえ」というのが素直な感想。
しっかし、汚れが落ちるのをこんなに楽しいと思う日が来るとは思わなかった。しばらくこのスポンジは手放せないかも。
あんまり感激したんでブログ記事書いちゃった。うちと似た状況の人にはとってもお勧め。とりあえず小さい範囲(電気のスイッチとか)なら、疲労困憊になるまえにかなり綺麗になるよ。壁は面積との兼ね合いがあるから、ちょっと根気が必要っぽい(こすったところが綺麗になる分、こすってないところの灰色さ加減が目立つのが難)。
メラミンフォーム 激落ちくん
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