『ネット右翼とは何か』第2章 ネット右翼活動家の「リアル」な支持基盤(松谷満)を読んだ。第1章でも用いたデータを分析して2016年都知事選で桜井誠に投票した有権者像を探っている。興味深かったのは次の件。
本章では、インターネットで実施した大規模調査のデータに基づいて、ネット右翼シンパとしての桜井支持層がどのような人々なのかを検討した。先行研究を参考にして、重要な要因と考えられ社会的属性、ネットワーク、メディア環境、価値観、政治的意見、政治的疎外感、心理的傾向が支持にどう影響しているのかを数値から分析した。
第一に、桜井支持層には、階層的な偏りや特徴はないということが明らかになった。経済的に不遇であることや地位が低いことが彼らをネット右翼シンパにしているわけではない。その点で、「弱者」に焦点を当てた議論は誤っているといえる。
しかし、これらの人々を「極右」支持層と位置づけた場合、階層的な偏りや特徴がないという点は、ヨーロッパ極右と異なる日本の特徴といえる。ヨーロッパの場合、高学歴層、専門職層などには明らかに極右を忌避する傾向がみられる。日本の場合、階層的地位が相対的に高い人々に極右的なものへの警戒心や反発が少ないということを意味するのかもしれない。p.65-66
何が興味深かったって、紹介されてるデータから極右傾向があまねく広がっているのはわかるはずなのに、「かもしれない」とか書いてるとこね。ほんとに見えてないなら相当なバイアスかかってる気がした。たとえば著者は
排外主義とナショナリズムについては、はっきりとした傾向が見て取れる。排外主義に関わる項目では、「日本に居住する外国人は、もっと減ったほうがよい」という考えに近いと回答したのは五三・九%と、調査全体の回答傾向(一四・九%)と大きな開きがある。また、「政府は外国人の援助に金を使いすぎている」についても、この考えに近いと回答したのは六七一%(全体二一・四%)ときわめて高い割合を占めている(図2)。
「日本人であることに誇りを感じる」と思うかどうかとたずねることでどの程度ナショナリズムの意識が強いかを探ったが(図3)、これもまた桜井支持層で五三・九%が「そう思う」と回答したのに対し、全体では二五八%にとどまっている。p.55
と書くのだけど、図2を見ると

全体も「どちらかと言えば」含めると過半数いってるし、日本人であることに誇りを感じる項目はどちらかと言えば含めると桜井支持者は80.1%なのに対して全体は64.9%と全体の数字もまったく低くない。桜井支持者の九割が韓国に対して「嫌い」に当たる評価をしているのに対して全体も67.3%が嫌いに当たる評価で、排外主義を極右の特徴としてあって3分の2以上がおさまっちゃうのだから、全体も相当な極右シンパシーを持っていると結論するのが妥当ではあるまいか。だから階層的な偏りが出てこないわけだろう。
というような違和感を抱えつつ読み終えた。最後まで読んだらこの違和感は解消されるのだろうか。
[ソウル 4日 ロイター] - 韓国憲法裁判所は4日、非常戒厳の布告を巡り弾劾訴追された尹錫悦大統領を罷免する決定を言い渡した。尹氏は直ちに失職し、60日以内に大統領選が実施される。決定は8人の裁判官の全会一致だった。韓悳洙首相が新大統領就任まで引き続き大統領代行を務める。選挙管理委員会によると、選挙日は6月3日が検討されている。尹氏は弁護団を通じてコメントを出し、国民の期待に応えられなかったとして謝罪した。「皆さんの期待に応えられなかったことは大変申し訳なく、遺憾だ」とした上で、「常に大韓民国と全ての人のために祈る」と述べた。
自民党関係者なら基本不起訴な環境に暮らしているので、眩しい(ってこの件、こればっかり言ってる)。
でもさ、国内ニュースで流れてたの、これとかなわけじゃん。
そら、眩しいって。
アメリカにしても、議会襲撃でトランプをきっちり退場させておければ、今みたいなことになってなかったのになあって連想も浮かんだ。司法の独立大事。
