石川淳

石川淳選集収録作品一覧を作ってみた

先日、そろそろ読むかと本棚の奥から『至福千年(amazon)』を引っ張り出して読んでみた。石川淳読むのは久々。 つまんなかったらポイするつもりだったんだけど、やっぱり読むと面白い。どこがどうとはいいにくいのだが、読んでいて楽しい。ポイどころかもっ…

『文學大概』

文學大概 (中公文庫)石川 淳 中央公論新社 1976-12-10売り上げランキング : 549023Amazonで詳しく見る by G-Toolsasin:4122003962目次(原文旧字) 文章の形式と内容 一 書かれたことばのはたらき 二 文章を殺すもの生かすもの 三 文章の美について 短篇小説…

影・裸婦変相・喜寿童女

影・裸婦変相・喜寿童女 (講談社文芸文庫)石川 淳 講談社 1992-06売り上げランキング : 149780Amazonで詳しく見る by G-Toolsasin:4061961780 短編集。 収録作品は 影 怪異石仏供養 獅子のファルス 裸婦変相 ほととぎす 大徳寺 喜寿童女 難解、というよりも…

二人権兵衛

狐狩りをこととする権兵衛は狐を捕る罠をゴンベに壊される。首を切ると脅すが盂蘭盆まであずけることにする。狙いは担保の米一俵。天保年間飢饉の頃であれば、首のひとつよりも米の方をもらいたい。 ところがこのあと、展開は狐の恩返しに。なんてことはない…

霊薬十二神丹

上杉家家臣の平田助次郎は十五の頃、喧嘩で男根を切り落とされるが、弟伊織が用意した十二神丹という霊薬の力で切り落とされた男根はもとの場所に無事貼り付き、以来何十年も容姿は若者のまま主君の寵愛を受け、戦場での活躍もめざましい生涯を送る。と、筋…

友達と飲んできた行き帰りの電車の中で読む。昭和28(1953)年3月初出。元タバコの専売公社勤めの国助は「たばこは万人が好むものなのだから、たばこの学問はその応用の面において万人の幸福のためにもっとも上等のたばこをつくり出すことにことにある」とい…

おとしばなし和唐内

和唐内というのは近松門左衛門の浄瑠璃「国姓爺合戦」の主人公。これを使って一幕喜劇みたいな体裁で書かれた作品。初出は昭和25(1950)年日本人と中国人のハーフである和唐内は作品の冒頭、日本で部下とともに退屈をもてあまし、金もない。そこで見せ物小…

張柏端

ちくま日本文学全集 (011)石川 淳 筑摩書房 1991-07売り上げランキング : 377983Amazonで詳しく見る by G-Toolsasin:4480102116 タイトルの張柏端は仙人の名前。昭和十六年十月発表の短篇ということは太平洋戦争直前のはずなんだが、なんつーかやりたい放題…

鈴木貞美『新潮日本文学アルバム65 石川淳』

石川淳 (新潮日本文学アルバム)鈴木 貞美 新潮社 1995-02売り上げランキング : 251947おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 鈴木貞美は日本文学史の書き換えを唱えている学者で、西洋思想の受容に儒教道徳が一役買ったとか、1920年代モダニズムの再評…

『石川淳長篇小説選』

石川淳長篇小説選―石川淳コレクション (ちくま文庫)石川 淳 菅野 昭正 筑摩書房 2007-02売り上げランキング : 24239Amazonで詳しく見る by G-Tools 「白描」*1「八幡縁起」*2「天馬賦」*3の三作品を収録。「八幡縁起」は「紫苑物語」(感想)に収録されてい…

『黄金伝説・雪のイヴ』

黄金伝説・雪のイヴ (講談社文芸文庫)石川 淳 講談社 1991-10売り上げランキング : 1069429おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 石川淳の大正期と戦後の作品を集めた短編集。収録作品は「鬼火」「ある午後の風景」「長助の災難」「桑の木の話」「明…

『石川淳短篇小説選』

石川淳短篇小説選―石川淳コレクション (ちくま文庫)石川 淳 菅野 昭正 筑摩書房 2007-01売り上げランキング : 45816Amazonで詳しく見る by G-Tools 収録作品は「マルスの歌」「黄金伝説」「無尽燈」「焼跡のイエス」「かよい小町」「雪のイブ」「影ふたつ」…

『紫苑物語』

紫苑物語 (講談社文芸文庫)石川 淳講談社 1989-05売り上げランキング : 126826おすすめ平均 Amazonで詳しく見るISBN:406196044X: by G-Tools「紫苑物語」(1956翌年芸術選奨文部大臣賞受賞)「八幡縁起」(1958)「修羅」(1958)の三本を収めた作品集。文体…

『普賢|佳人』

デビュー作「佳人」、「貧窮問答」、「葦手」、芥川賞受賞作品「普賢」の四本を収めた短編集。「佳人」は以前に読んだ(→感想)ので、今回は残り三つを読んでみた。共通するコンセプトは怒りなのだと思う。どの作品も饒舌体と呼ばれる息の長い文で綴られてい…

「焼跡のイエス・善財」

焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫)石川 淳 講談社 2006-11-11売り上げランキング : 344691Amazonで詳しく見る by G-Toolsasin:4061984586 澁澤龍彦の「偏愛的作家論」を読んで以来、石川淳はなんとなく気になり続けている作家だったのだが、まとめて読ん…

「佳人」

普賢・佳人 (講談社文芸文庫)石川 淳 立石 伯 講談社 1995-04-28売り上げランキング : 81002Amazonで詳しく見る by G-Toolsisbn:4061963201 「佳人」を読んだ。石川淳のデビュー作。世界の臍を捜していた男が探索に失敗し、死のうとするがそれも失敗し、同棲…

『石川淳選集』全十七卷内容

石川淳選集(1079~1981)全十七卷内容 第一卷 小説一 葦手 山櫻 普賢 マルスの歌 曾呂利咄 張柏端 鐵拐 雪のはて 黄金傳説 無盡燈 燒跡のイエス 第二卷 小説二 白描 かよひ小町 處女懐胎 第三卷 小説三 雪のイヴ 飛梅 變化雑載 野ざらし 最後の晩餐 善財 片…