北原保雄 監修 問題な日本語番外 かなり役立つ日本語クロスワード

[問題な日本語番外] かなり役立つ日本語クロスワード
北原 保雄 いのうえさきこ

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大修館書店 2007-12-05
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 少し語彙を増やしたいなあと思ってやってみた。悔しいことに「かなり役立つ」に偽りなく、知らない言葉が出てくるわくるわ。特に美称というカテゴリの単語を自分はほとんど持ち合わせていないことが分かった。ついでに思っているほどにも語彙が豊富でないことも。
 ただ「O−157」が答えになる問題だけは、引っかかりを覚えた。これ、どう読みます? 俺はずっと「オー・イチ・ゴー・ナナ」と読んでいたのだけど、答えは「オー・イチ・ゴ・ナナ」。そりゃあ5は「ゴ」には違いないけれど、これは絶対伸ばすと思うんだけど、どうなんだろう。

そして、知らなかった言葉はそのままにしておくとまた忘れてしまうので、とりあえず書き出しておこうと作業を開始して、思った以上の量であったことを知る。入力が終わるより早く気力が尽きそうになった。
 以下、知らなかった言葉リストである。大辞林ウェブ版くろご式慣用句辞典WEB漢文大系ウィキペディアgoo辞書桐山堂などを随時参照させていただいた。
あてはか:上品で雅やかなさま。
穴場:競馬・競輪などの投票権の売り場をいう俗語。
如何様(いかさま):いかにも、なるほど。
厳し日(いかしひ):厳かな日、立派な日。日の美称。ほかに生日(いくひ)も日の美称。
勇魚(いさな):クジラ。
意馬心猿(いばしんえん):〕 妄念や煩悩 (ぼんのう) が激しく,心が、走り回る馬や騒ぎ立てる野猿のように落ち着かないさまにたとえた語。出典は「敦煌変文集(とんこうへんぶんしゅう)」三一に引く「維摩詰経講経文(ゆいまきつきょうこうきょうもん)」
妹君(いもうとぎみ):相手を敬ってその妹を言う語。ほかに妹御(いもうとご)、令妹(れいまい)など。
隠君子(いんくんし):世を逃れて住む徳の高い人。または菊の異名。
茴香(ういきょう):セリ科の植物。種子から取れる香辛料がフェンネル
齲歯(うし):虫歯。本来は「くし」と読む。
うたた:状態がどんどん進行してはなはだしくなるさまをいう。いよいよ。ますます。 「 ─ 今昔の感にたえない」
梲:うだつ。うだつが上がらないのうだつ。
烏兎(うと):金烏玉兎の略。金烏は太陽に住むという三本足の烏(からす)(中国の伝説から)で、太陽の異名。玉兎は月に住む兎のことで月の異名。二つ合わせて太陽と月のこと。
運否天賦(うんぷてんぷ):運を天に任せること。出典は「醒睡笑(せいすいしょう)」参照:くろご式慣用句辞典「う」の項目。http://www.geocities.jp/tomomi965/index2.html
叡(えい):天子に関することを尊んで言う語。「叡覧」「叡慮」など。
掩蓋(えんがい):ものの上にかぶせるおおい。
男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く:男一人世帯は,どうしても日常生活や身だしなみが不潔になりがちだが,女一人の世帯は小ぎれいにしているので,男たちからもてはやされる。
鬼も十八、番茶も出花:醜いとされる鬼も年頃になれば美しく見え,番茶でもいれたばかりのときにはよい香りがする意から、女の子はだれでも年頃になれば,それ相応にきれいに見え,魅力もそなわるの意。古くは男女いずれにもいった。
骸骨を乞 (こ) う :辞職を願うこと。出典は「晏子春秋外篇」「史記項羽本紀」。
鎧袖一触(がいしゅういっしょく):わずかな力であっさり打ち負かすこと。鎧袖は鎧の袖のこと。
カイロプラクチック:脊椎指圧療法。脊椎のゆがみを矯正し神経機能の回復を図る療法。
佳肴(かこう):旨い酒の肴。旨い料理。
柏餅:二つ折りにした布団にくるまって眠ること。
学兄(がっけい):学問上の先輩の意。学友の敬称。
家弟(かてい):他人に対して自分の弟をいうやや古い言い方。舎弟とも。
かなかな:ひぐらしのこと。
騎虎の勢い:虎に乗って走る者が途中で降りることができないように,物事の勢いが盛んになって行きがかり上,途中でやめられないことのたとえ。やめるにやめられない激しい勢い。出典は「隋書−独孤皇后紀」参照:くろご式慣用句辞典「き」の項目。http://www.geocities.jp/tomomi965/index2.html
玉盤(ぎょくばん):皿の美称。
きりぎりす:コオロギの古名。
草木も靡(なび)く:勢力が盛んで多くの人が従う様。
九寸五分(くすんごぶ):短刀のこと。九寸五分は約二十九センチ。
胡頽子:グミ。他に「茱萸」という表記も。
行雲流水(こううんりゅうすい):とどまることなくさまざまに移り変わることのたとえ。出典は宋史「蘇軾伝」
高閲:他人が校閲することを敬っていう語。
古刹(こさつ):由緒のある古い寺。
鯒:コチ(魚の名前)
胡馬北風に嘶く(こばほくふうにいななく):胡馬が北風が吹くごとに,生まれ故郷の北方を慕っていななく。故郷の忘れがたいことのたとえ。なお大辞林では「胡馬北風 (ほくふう) に嘶 (いば) ゆ」となっている。似たような表現に「胡馬北風 (ほくふう) に依 (よ) る」が出ており、こちらは「文選古詩十九首 「胡馬依 北風 ,越鳥巣 南枝 」による。
再販:再販売価格維持契約の略。
酒は憂いの玉箒(たまばはき):酒は悩みを払ってくれる箒のようだという意味。「玉箒(たまばはき)」は箒の美称。出典は蘇軾の詩「洞庭春色」
雑魚の魚混じり(ざこのととまじり):大物の中に小物がまじっていること。類表現に蝦(えび)の鯛(たい)交じりもあるらしい。
さし:城。
サスプロ:サステイニングプログラムの略。民放がスポンサーなしで制作・放送する自主番組のこと。
傘寿(さんじゅ):数え年八十歳、またはそのお祝い。
三鞭酒:シャンパ
尸位素餐(しいそさん):高い位にあるだけで職責を果たさず、高禄をもらっていること。「しいそざん」とも。出典は漢書「朱雲伝」
鴫:シギ(鳥の名前)
四君子(しくんし):東洋画の画題とする蘭・竹・梅・菊の総称。
四通八達(しつうはったつ):道路・線路などがよく通じていること。
悉皆(しっかい):のこらず、すっかり。
じゃが芋:ジャガタラいもの略:ジャガタラとはインドネシアジャカルタの古名
酔生夢死(すいせいむし):有意義なことを一つもせず,むだに一生を終えること。程頤(ていい)「明道先生行状」
井蛙(せいあ):井戸の中にすむカエル。転じて見識の狭いことのたとえ。
太公望(たいこうぼう):釣り好きの人の異名。のちに太公望と呼ばれた呂尚(りょしょう)が釣りをしているときに周の文王に見出された故事から。参照:WEB漢文大系「太公望http://kanbun.info/koji/taikobo.html
たとしえ無し:似ても似つかないこと。
球萵苣(たまぢしゃ):レタス。萵苣(ちしゃ)は葉を食用にするキク科の野菜の総称。
玉菜(たまな):キャベツのこと。他に甘藍(かんらん)とも。
玉響(たまゆら):ほんのしばらくのあいだ。わずかの間。
彫心鏤骨(ちょうしんるこつ):苦心して作り上げること。苦心して詩文を練ること。類語に苦心惨憺(くしんさんたん)、粉骨砕身(ふんこつさいしん)など。
珍簡(ちんかん):思いがけない手紙。相手を敬ってその手紙を指す語。
月夜に提灯:無駄なこと、役に立たないことのたとえ。
橐吾(つわぶき):キク科の常緑多年草。石蕗とも書く。
苞(つと)わらなどを束ね,中に食品などを入れて包みとしたもの。わらづと。 「納豆の ─ 」。
低床(ていしょう)バス:ノンステップバスのこと。
偸安(とうあん)目先の安楽をむさぼること。一時しのぎをすること。
豆腐に鎹(かすがい):意見をしても手ごたえがなく,効果のないことのたとえ。糠 (ぬか) に釘 (くぎ) 。
利鎌(とがま):鋭利な鎌。
常夏月:陰暦6月の別称。
トッカータ鍵盤楽器のために書かれた即興的で自由な形式の楽曲。17〜18世紀のバロック時代に流行した。
とどのつまり:結局のところ。魚のボラが成長に従い名前を変え、最後にトドにいきつくことから。ちなみに名前の順番は関東ではオボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド、関西ではハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドとなっている。参照:ウィキペディア「ボラ」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%A9
棗:ナツメ(木の名前)
鳰(にお):カイツブリ(水鳥)の古名。
のりもの(賭物):勝負事に掛ける賞品。掛る(のる)は掛けるといういみの古語。
パーレン:「()」のこと。ドイツ語由来。
杯盤狼藉(はいばんろうぜき):酒宴のあとに杯や皿があたりに散乱していること。出典は史記「滑稽伝」
薄志弱行(はくしじゃっこう):意志が弱く物事を断行する気力に欠けること。
ハブ空港:各地からの航空路が集中し幹線航空路の起点となる拠点空港。ハブ(hub)は車輪の中心部の意味。
鱧:ハモ(魚の名前)
馬齢(ばれい):自分の年齢をへりくだっていう語。「馬齢を重ねる」で無駄に年を取るという意味。
蕃茄(ばんか):トマト。
盤根錯節(ばんこんさくせつ):大辞林の定義に「入り組んでいて解決の困難な事柄。 「機に応じ変に適して ─ を断ずること /獺祭書屋俳話 子規 」」とある。出典は後漢書「虞詡伝」
僻覚え(ひがおぼえ):記憶違い。大辞林に項目なし。
百年河清を俟つ:常に濁っている黄河の澄むのを待つ。いくら待っても実現しない望みのたとえ。出典は左氏伝襄公八年「子駟曰く、周詩に之れ有り曰く、河の除l[す]めるを俟[ま]たんも、人壽幾何[いくばく]ぞ。逸詩なり。言うこころは、人壽促[すみ]やかにして、河の除lむは遲し。晉の待つ可からざるに喩う。」
氷鏡(ひょうきょう):月の美称。ただし大辞林には項目なし。
美禄(びろく):高額の給与。また、酒の美称。
風声鶴唳(ふうせいかくれい):おじけづいた人が,わずかのことにも恐れおののくことのたとえ。出典は晋書「謝玄伝」
蕪辞(ぶじ):乱雑な言葉の意。自分の言葉や文章の謙譲語。「蕪辞を連ねる」
筆の海:硯の美称。
芳紀(ほうき):女性の若くて美しい年頃のこと。芳(ほう)は他人についての事柄につけて、敬意を表す。「芳志」「芳信(ほうしん=手紙)」など。
暴虎馮河(ぼうこひょうが):血気にはやって向こう見ずなことをすること。無謀な行為。とらに素手で立ち向かい、大河を徒歩で渡る意から。goo辞書http://dictionary.goo.ne.jp/idiom/search/%CB%BD%B8%D7%F1%C8%B2%CF/detail.html?base=1&row=0によれば「暴」は「搏」に同じで、打つ、なぐる意。「馮」は川などを徒歩で渡る意。出典は論語「述而」
盆の窪:うなじの中央のへこみ。
まいない:わいろ。漢字で書くと「賂」。
まき:スギ・ヒノキなど建築材になる木の総称。
枕経(まくらぎょう):死者の枕元で読経すること。特に納棺に先立つ読経。
真幸く(まさきく):幸せに、平安に、無事に。
木天蓼:マタタビ
松虫:スズムシの古名。マツムシの古名は鈴虫なのだとか。
纏(まとい):戦国時代、戦場で武将が所在を示すために立てた印。竿の頭に作り物をつけ、その下に簾を垂らした。江戸時代、町火消しがそれを模して、各組の印とした。
まま:「うば」、「めのと」の古語。
御食(みけ):神への供物。または天皇の食事。
御台(みだい):天皇や貴人を敬って、その食事を載せる台をいう語。また大臣や将軍の妻の敬称。
無月(むげつ):曇り空で月が見えないこと。特に陰暦八月十五日夜の月をいう。
狢:ムジナ。アナグマのこと。
明窓浄机(めいそうじょうき):清潔で勉学に適した書斎。出典は欧陽脩(おうようしゅう)の「試筆」
藻塩草(もしおくさ):藻塩をとるための海藻。
文字のある人:学問のある人のこと。
鼯鼠:モモンガ。
焼け野の雉(きぎす)夜の鶴:巣のある野を焼かれると雉子 (きじ) は身の危険を忘れて子を救い,寒い夜,巣ごもる鶴は自分の翼で子をおおう。子を思う親の情が非常に深いたとえ。 きぎすはキジの古名。
野生(やせい):手紙で自分をへりくだっていう語。「小生」「迂生」も同義。
野僧(やそう):僧侶が自分をへりくだっていう語。類語に愚僧、拙僧など。
山颪(やまおろし):山から吹き下ろす風のこと。大辞林によれば「山颪の風」という言い方もできるようだ。
山笑う:春の芽吹きの頃の山の形容。
闇夜の灯火(ともしび):切望していたものにめぐりあうたとえ。大辞林に拠れば、類表現に「闇夜の提灯 (ちようちん)」がある 。
優渥(ゆうあく):手厚く、恵み深いこと。
有為(ゆうい):才能があること。
容喙(ようかい):横から口を挟むこと。
瑶台(ようだい):月の美称。あるいは玉で飾った美しい御殿。玉のうてな。玉楼。
葦(よし)の随から天井を覗く:狭い見識で世界を判断することのたとえ。葦の細い管から天井を見ても全体を見渡せないことから。
夜目遠目笠の内:女の容貌は,夜見たとき,遠方から見たとき,笠をかぶっているところを見たときに,実際より美しく見えるということ。
ラオ:煙管の雁首と吸い口をつなぐ竹の管。はじめ、ラオス産の竹を使ったことから。「ラウ」とも。漢字で書くと羅宇。
粒々辛苦(りゅうりゅうしんく):あることを成就するために地道な努力を積み重ねること。米の一粒一粒が農民の苦労の結晶であることから。大辞林の用例には「 ─ して築いた富」 「三四年間 ─ の所得なるを /金時計 鏡花 」が見える。出典は李紳「憫農」参照:http://tosando.ptu.jp/shi99-3.html#si99-13
流謫(るたく):罪により,遠地へながされること。島流し。謫流。りゅうたく。
瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る:物は違ってもすぐれたものは光をあてると同じように輝く。優れた素質や才能を持つ者はどこにいてもすぐに分かるということのたとえ。ちなみに瑠璃はラピスラズリ、玻璃は水晶のこと。