夏の思い出2

 先日花火に行ってきた。派手にうちがある物、キャラクターの再現を試みた物、伝統的な色合いを強く残す物など、様々なモチーフが夜の空を1時間にわたって彩った。打ち上げ場所では良い具合に風も吹き、取った場所は障害物もほとんどなくよく見え、満喫した。一番印象的だったのは、自転車の形を再現した物だったろうか。美しさという点では、他のモチーフが勝っていたけれども、いったいどうやって球形じゃない形を作ったのか、仕組みをしりたいものである。
 それはさておき、その帰りのこと。花火っつーのは、人混みがつきもので、帰りには交通整理がつきもので、そんなに人がいるのだから、必然的に迷子放送なんかもついてくる。その日も迷子の方法がかかっていた。のだが、こいつがひと味違って驚いた。
 スピーカーから女性の声が聞こえてきた。


「○○くんのお父さんから○○くんに伝言です」




「○○くんは」








「自分でお家に帰ってください」



 会場には時ならぬどよめきが走った。件の○○くんは近所の人か、さもなきゃ家族連れであっても、結構大きなお子さんだったのか、何よりちゃんと帰れたのか、気になるところである。バスはいつもと違う場所から出ていたが平気だったのだろうか。