神奈川県立近代美術館で「イメージの迷宮に棲む 柄澤齊展」を見てきた。
空気が籠もっていて、辛いものがあったが、作品は大変素晴らしいと感じた。特に良いなあと思ったのが、何作にも渡って繰り返された深淵のイメージで、崖の下は宇宙ですみたいな描かれ方がされていたのだけど、何カ所か本当に吸い込まれるような深さを感じさせることがあって、平面であることを忘れた。どうしてああいう効果が生まれるのかはまるで分からなかったけど、何か凝縮されたイメージが息づいていることはひしひしと感じさせられた。宇宙のようなものを描きながら天空へのイメージとはならず、ただただ深さを志向する。それがとても心地よかった。
もちろん印象に残ったのがそういう作品であるというだけで、他にも遊び心タップリのポートレートや西洋神話のタイトルを付けられた日本画風の作品なども面白く、全体として満足度の高い展示会だった。2500円出すのが持ち金との比較で微妙だったので買いそびれたのだが、数日考えて諦められなければ買いに行ってこようと思う。ついでに同じ人の手になるミステリー「ロンド」にも興味が湧いた。そのうち読んでみようと思う。